年間第8主日

福音朗読箇所 ルカ6・39-45
[説教]

 先輩神父の一人の方がサウナに行った時の話だそうです。韓国ではチムジルバンと呼ばれます。暖かい部屋は40度程、熱い部屋は80度もします。自分に合う温度の部屋に入って楽しめば良いのです。その先輩はいつもの通り服を脱いでメガネをかけてサウナに入るために着替え、普段は60度ぐらいの部屋にしか入らないのに、その日は80度の熱さがどの位かと気になって勇気を持って入ってみたそうです。一番熱い部屋に入って10秒位で本当に死ぬかもしれないと思ってすぐ出たそうです。それからサウナを終えて運転して家に帰っているところ、ずっとめまいがしたそうです。10秒位しか入っていなかったのに何か体の調子が悪くなったと思ったそうですが、家に戻って十分休めば明日は良くなるだろうと思いました。
 しかし食事をする時も説教の準備をするときもずっとめまいが続きました。原因は一つしかない、サウナの熱い部屋に入ったせいだと思って病院に行って検査をしたそうです。しかし病院では特別な問題はないという結果をもらったのにそのめまいは無くならなかったそうです。 
 一体何が問題なのか。
 私はメガネをかけていないので良く分からないなですが、メガネのレンズはガラスではなくプラスチックで作られたものもあるそうです。その先輩がかけていたメガネもプラスチックのレンズだったので、そのレンズが熱い部屋に入った時に少し溶けてしまったいたそうです。度数が合わなくなって目眩がしていたのを、先輩は調子が悪くなったと思いました。目眩という問題の原因を、遠くにあるサウナのせいだと思いましたが、問題は結局自分の目の前にありました。
 国を問わず灯台下暗し(とうだいもとくらし)ということわざがあります。今日イエス様が私たちにおっしゃったのも同じ内容ではないかと思います。問題が出来た時、私たちはその原因を自分の外で探したり他人を恨んだりしますが、その原因は自分にあるかもしれないのです。
 少なくとも今日からはイエス様の教えに従ってまず自分の心の中を見ればどうかと思います。