主のご降誕おめでとうございます

12月24日主の降誕夜半ミサ 

福音朗読箇所 ルカ 2・1-14

[説教]

【クリスマス物語】
  今日の福音は、最初のクリスマスに私達を招いています。その話は何度も繰り返し語られたものです。或る司教様がおっしゃいました。
『クリスマスの朗読は、何回聞いても毎年心を打たれます。心に触れる、この聖なる夜の雰囲気には、特別なものがあります。』

 本当にそうです!私達信者は、この話を飽ることなく、何度も聞いています。イエス様の誕生は、イエス様に救われた私達にとって、特別なことだからです。今日の福音の大切な箇所を取り上げてみましょう。
  先ず第1に、ヨセフという人について書かれています。福音書の最初には、皇帝アウグストゥスからローマの全領土の住民に登録をせよ、との勅令が出ていました。ヨセフはその勅令に素直に従いました。ヨセフは、福音書の中で『正しい』人とされています。今日の福音の中には、ヨセフのことを、服従する人と書いてあります。私達は、ヨセフの『服従する』態度を、重く考えなければなりません。何故かと言うと、天使の言葉に素直に従ったマリアの態度も併せて考える必要があるからです。 すなわち、マリアとヨセフは二人とも、神様にも、ローマの総督にも、素直に従いました。 ですから、私達自身についても考えてみましょう。
 私達は、この世界の中の一人の市民であり、また、神の国の一市民でもあります。それからして、私達はこの二つの国の良い市民となるよう、招かれているのです。
 2番目に、私達はクリスマスを神秘的なことと考えています。
 フランシスコ教皇は、クリスマスを『悲しみと希望の神秘』と言われました。イエス様を飼い葉ば桶に寝かせたことが、悲しみの神秘です。『宿屋には、彼らの泊まる場所がなかった』からです。イエス様は、人々に拒否され、また、人々はイエス様について無関心でした。けれども、クリスマスはキリストの光が輝いているので、「希望」の神秘でもあります。キリストは私達に、命と愛を与えるために、お生まれになりました。ですから、皆さん、クリスマスのお祝いの主役は、イエス様であり、私達ではありません。自分のためにどんな贈物をしようかと考えるより、むしろ社会の中で、片隅に追いやられている人達のことに、心を向むける必要があると思います。その人達は、人々から拒否され、また、無関心に扱かわれているはずです。私達はできるだけその人達と、何かを分かち合うようにしたいものです。
そうすることによって、クリスマスはより意義深いものとなります。

 

皆さん、 クリスマスおめでとうございます!